回送運行許可ディーラーナンバー取得
- gsofficehirayama
- 11月10日
- 読了時間: 6分
車検の切れた自動車を、どうやって公道で移動させればよいのでしょうか?
そんなときに活用できるのが「回送運行許可証(番号標)」、通称“ディーラーナンバー”と呼ばれる制度です。
この特別なナンバープレートを使用すれば、車検が切れた車両や登録前の新車であっても、納車、整備、下取りなどの目的で一時的に公道を走行させることが可能になります。
本記事では、この回送運行許可制度の概要と、実際にディーラーナンバーを取得するための手続き方法について詳しく解説します。

回送運行許可とは? 使用のメリット
車検の切れた自動車、抹消済みの自動車、または一度も登録を受けたことのない自動車は、原則として公道を運行することができません。
しかし、これらの車両を車検場や整備工場、販売店舗まで移動させる必要がある場面は少なくありません。
その場合に考えられる方法は、主に以下の3つです。

① レッカーや積載車での移動
積載車やレッカーを用いて、自走させずに車両を目的地まで運搬する方法です。ただし、積載車の手配が必要でコストがかかるうえに、狭い道路やスペースでは取り回しが難しいという課題があります。
② 臨時運行許可(通称:臨番)の活用
市区町村で運用されている「臨時運行許可制度」を利用する方法です。これは登録や車検を受ける目的に限定して一時的に公道を走行できる制度で、申請は市区町村の役所で行います。
費用はおおよそ750円程度と手頃ですが、自賠責保険の加入が必要になります。そのため、「予備検査のみ受けたい」「展示車両として一時的に移動させたい」といったケースでは、コスト面でやや非効率な場合もあります。
③ 回送運行許可(ディーラーナンバー)の取得
今回ご紹介するのが、**「回送運行許可制度」**です。
この制度は、自動車の販売・製作・陸送・分解整備を業とする者に限って適用され、**1つの許可で複数台の車両に使用可能なナンバープレート(番号標)**を交付してもらうことができます。
いわゆる“ディーラーナンバー”と呼ばれるもので、車検が切れた車両や未登録の車両を、納車・整備・下取りなどのために自走で移動させる際に活用されます。
この制度では、ナンバープレート自体に自賠責保険をかけるため、個々の車両に対して保険加入する必要がないという点も大きなメリットです。
以上のように、「回送運行許可」は、車両を頻繁に扱う業者にとって非常に利便性の高い制度と言えます。次の章では、実際にこの許可を取得するための「要件」について解説していきます。
回送運行許可の要件
本記事は、自動車販売店を対象とした内容であるため、要件のうち重要なポイントに絞ってご説明します。
回送運行許可を取得するにはいくつかの条件がありますが、最も重視されるのが月間販売台数の実績です。以下は、新車販売業者・中古車販売業者それぞれの平均販売台数と貸与されるナンバープレート数の基準です。

新車販売業者の場合(※1か月平均の販売台数)
平均販売台数 | 貸与限度数 |
5両以上~10両まで | 最大3組まで |
11両以上~20両まで | 最大5組まで |
21両以上~30両まで | 最大8組まで |
31両以上~50両まで | 最大12組まで |
51両以上~100両まで | 10両増ごとに1組加算 |
101両以上 | 20両増ごとに1組加算 |
中古車販売業者の場合(※1か月平均の販売台数)
平均販売台数 | 貸与限度数 |
10両以上~20両まで | 最大2組まで |
21両以上~30両まで | 最大3組まで |
31両以上~40両まで | 最大4組まで |
41両以上~50両まで | 最大5組まで |
51両以上~100両まで | 20両増ごとに1組加算 |
つまり、ディーラーナンバーを取得するには、
新車販売業者であれば月間平均5台以上
中古車販売業者であれば月間平均10台以上
という一定の販売実績が求められます。
そのほかの要件として、例えば以下のようなものがあります。
古物商許可の保有(中古車取扱事業者であれば通常は取得済み)
運転者研修や帳簿管理体制の整備
過去の不正使用歴がないこと
などが挙げられますが、一般的な自動車販売店であれば特に問題なくクリアできる内容です。
具体的な申請方法と費用
回送運行許可(ディーラーナンバー)の取得は、事業所の所在地を管轄する運輸支局の窓口で行います。申請から番号標の貸与までには最低3回の来庁が必要で、一定の準備と時間が求められます。
以下は、熊本運輸支局での一般的な流れです。
① 申請書類の提出(1回目の来庁)
まず、申請書および必要書類一式を提出します。熊本県では事前にアポイントが必要で、通常は16時以降の時間帯が指定されます。
このとき重要なのが、販売実績の提出です。以下の2点が求められます。
契約書(売買契約書 ナンバーもしくは車台番号を記載してあるもの)
入金が確認できる書類(領収書・通帳コピー等)
⚠️ 注意単なる契約だけでは実績とはみなされません。入金が確認できたもののみが、販売実績としてカウントされます。
提出後、書類に不備がなければ、約2週間の審査期間となります。
② 許可決定後の貸与申請(2回目の来庁)
審査を通過すると、運輸支局から許可の連絡があります。この段階で「貸与申請書」を提出し、番号標(ナンバープレート)の作成依頼を行います。
この際、貸与手数料分の収入印紙を納付する必要があります。
③ 番号標の交付(3回目の来庁)
番号標の作成には約1週間かかります。
受け取り時には、事前に契約しておいた自賠責保険証を提示し、確認を受けた後に
許可証
番号標(ディーラーナンバー)
が交付されます。
費用の目安

項目 | 金額(目安) |
貸与手数料(1組・36か月) | 約75,800円 |
自賠責保険(3年分) | 約20,000円(※2025年11月現在) |
ナンバー1組あたり、3年間で合計約10万円が目安です。
貸与は最大で**5年間(60か月)**まで可能です。
貸与期間は10月末日で一旦区切りとなるため、申請時期によっては年数が調整されます。
まとめ
ポイントのおさらい
最低でも3回、運輸支局への来庁が必要です。
販売実績は「入金確認済みの取引」が条件となります。
自賠責保険はナンバープレートに対して契約するため、車両ごとの加入は不要です。
最後までこの記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。

ディーラーナンバー(回送運行許可証)があることで、車両の移動にかかる時間と経費を大幅に削減することが可能です。特に、複数の車両を頻繁に取り扱う販売店様にとっては、業務効率化の強い味方となる制度です。
弊所では、熊本県内の自動車販売店様を対象に、
書類の作成 申請手続き ナンバープレートの受領
まで一括で代行しております。
お客様には、
契約書 領収書 通帳の写し(入金確認用)
をご用意いただくだけで、貸与が認可されたナンバープレートをそのままお渡しすることが可能です。報酬料金は、**熊本県内どのエリアでも一律55,000円(税込)**にて承っております。
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